丘の上の集落、城、塔などがアクセントを添えるアスティ地区の丘 陵地帯は、この地最大の資産ともいうべき美しいぶどう畑の色彩も 相まって、他に類のない風景を見せてくれます。季節の移り変わり とともにその色彩も移り変わり、風景のニュアンスも変化して行く のです。この国際的に知られたワイン産地には、白トリュフ、「ク アドラート・ダスティ」として知られる赤・黄色のピーマン、白く ぱりっとした歯ごたえを持つカルディ・ゴッビ(セロリに似た野 菜)といった名産品もあります。ワインやこれら地元産の食材は、 伝統的な知恵が込められたレシピを通じて、この地域の地元料理と 結びついています。カルネ・クルーダ・バットゥータ・アル・コル テッロ(包丁で叩いた生肉)、トンノ・ディ・コニーリオ(兎肉の ツナ風)、リゾット・アル・バルベーラ(バルベーラワインのリゾ ット)、バーニャ・カウダ(アンチョビベースの温かいソースに生 野菜をつけて食べる料理)、ボッリート・レアーレ(王家の茹で 肉)、そしてもちろん、モンバルッツォ産アマレッティをはじめと する数々のスイーツ類。アスティの味覚探訪は、サン・マルティー ノ・アルフィエーリやピエア・ダスティの美しい 19 世紀建築をは じめ、カステル・アルフェーロ、モンティリオ、コスティリオー ネ・ダスティ (カスティリオーネ侯爵夫人の居城だった) といった 村にある城を訪れる旅と組み合わせることで、一層充実したものる でしょう。伝統芸術工芸博物館は、今は失われてしまった手工芸の 技術や工房を展示しています。