トリノ県

トリノは歴史の長いエレガントな街ですが、若々しくトレンディな 面もあります。夜友人たちと会って、夜遅くまでワインを飲んだり 踊りに行ったりする場所が、町の中心にたくさんあります。特にク アドリラテロ・ロマーノ地区、ムラッツィ地区などです。昼は市内 18 ㎞に及ぶ広々としたアーケードをのんびり歩いて、有名ブラン ド店のショーウィンドーやおしゃれな工房や画廊をのぞいたり、あ るいはヨーロッパ一の大きさを誇るポルタ・パラッツォの巨大市場 や、アンティーク・ノミの市として有名なバロンを散策するのもい いかもしれません。 トリノ市は、ヴェネツィア、ヴェローナ、ラヴェンナ、ミラノと並 んで、ミシュラン・グリーンガイドにより、最高峰の三つ星、つま り“わざわざ旅行する価値がある”町に認定されました。これは、 トリノ市が誇る豊かな歴史的、芸術的遺産やホテルやもてなしのレ ベルの高さもさることながら、芸術・文化・食を含めた生活全体の クオリティの高さによるものなのです。 トリノには、1786 年に始まり今でも引き継がれている、夕食前の “アペリティーボ”と呼ばれる習慣があります。町の中心部やポー 川沿いのバール、エノテカなどで、食前酒と一緒にサラミやチーズ など様々な種類の、ピエモンテ独特の、あるいは世界各国の軽食を 楽しむというものです。さらに、ピエモンテは 450 年も前からチョ コレートを生産しており、有名メーカーや小売りのチョコレート店 が州内に数多くみられます。 トリノの魅力はその一種独特なバランス感覚なのです。世界第 2 の エジプト博物館のそばに由緒あるバールやオリンピック競技の会場 にもなった大きくモダンな競技場があり、一日のうちに芸術と美味 しいジャンドゥイヤクリームの両方を味わうことも、有名ブランド で買い物をすることもでき、王宮から出てすぐ目と鼻の先のハイテ クでポップなラウンジバーに入ったりすることもできるのです。 トリノの町をよく知る簡単な方法があって、それはちょっと変わっ た面白い乗り物に乗ってその独特な景色や建築物を見て回るという ものです。赤い 2 階建てのバス“City Sightseeing Torino” がそ れで、これに乗れば街の代表的な建築部をすべて見ることができま す。まずモーレ・アントネッリアーナの塔の展望エレベーター。こ の塔はトリノのシンボルで、レンガ作りの土台の塔としてはイタリ ア最高の 167mです。塔の上からは町並みや丘陵地や遠くの山々の 素晴らしい景色が堪能できます。次に、歴史的なアプト式のサッシ -スペルガ鉄道です。たった 3 ㎞です、が緑の間を抜けて、建築家 ユヴァッラによって建てられた、サヴォイア家の墓が納められてい る頂上のバジリカまで登っていきます。また、“歴史トラム”はト リノ市内の歴史的・文化的重要地区を回ります。さらに、ポー川下 りの船は途中 5 つの停船場がありますが、トリノを見下ろす丘や公 園に沿って、堂々たる橋の下を抜け、優美な建物や由緒あるカヌー クラブなどを眺めながらおくつろぎいただけます。 2012 年トリノ市内に新たに 2 つの博物館がオープンしました。ユ ベントゥスミュージアムは有名なサッカーチームの歴史を最新のビ ジュアル技術を駆使して紹介します。また節約ミュージアム (SAVING MUSEUM)は、幼い子供からティーンエイジャーそしてそ の家族向けに、シンプルでありながらありふれた表現ではないイン パクトのある言語を使用して、貯蓄と投資の概念を紹介してくれる 博物館です。最後に、フィアットの街に、2011 年フランス人デザ イナーのフランソワ・コンフィノが手がけリニューアルオープンし た自動車博物館も欠かすことはできないでしょう。