隔年10月にトリノで開かれる国際的な食材見本市サローネ・デル・グストは、この種の見本市の中でも特別な地位を占めています。生産者にとって販売ルート を獲得するための機会であるだけでなく、食というテーマについて学び、深く掘り下げるための学習の機会でもあるからです。ブラで行われるチーズは、乳製品 とチーズの世界に特化した見本市の代表格。奇数年の9月最後の13日間、ブラには世界中から乳製品が集結し、試食・試飲からシンポジウムそしてもちろん販 売まで、あらゆる形でチーズと乳製品の世界に触れることが可能です。
ノヴァーラの中心部が中世の面影を強く残しているとするならば、マッジョーレ湖の周辺を支配するのはバロックの空気です。代表的なのが、ボルゴマネーロの サン・バルトロメオ教会と、グリニャスコのアッスンタ・デル・ヴィットーレ教会。オルタ湖の息を呑むような景観の中にも、オリジナルのロマネスク様式の一 部をバロック様式に改築したサン・ジュリオ聖堂があります。オルタ湖に浮かぶもうひとつの島、ヴェルバニア県ストレーザの沖に浮かぶベッラ島には、有名な パラッツォ・ボッローメオを含む複合建築がそびえています。ヴェルチェッリ県を代表するのは、ユヴァッラが設計したサン・ジャコモ教会です。
学校教育への参加、食の研究所、食育に関するコンベンション、教材の刊行、マルケ州イエージの州立料理学校、食のマスターコース……。スローフード協会が 食文化と食育の振興に向けて取り組んでいる活動は非常に幅広いものです。今はそこに、協会がピエモンテ州とエミリア=ロマーニャ州の参加を受けて、クネオ 県ポッレンツォとパルマ県レッジャ・ディ・コロルノに設立した「食文化と食科学のための最高学府」、食科学大学が加わりました。ここでは、食に対する情熱 と科学、農学と獣医学、食の伝統文化とテクノロジーが一体となっています。ポッレンツォは食科学の分野における中心地、食と料理にかかわる出会いの場所、 飲食業や食品製造業のプロを育成するセンターとして国際的な名声を得るに至りました。大学が組織として動き出したのは2003年1月27日、大学の科学委 員会は、スローフード協会会長であるカルロ・ペトリーニを座長とし、大学の研究者(ファウスト・カンタレッリ、アルベルト・カパッティ、マッシモ・モンタ ナーリ、マルコ・リーヴァ)をメンバーとしています。教育機関としての運営をサポートするのは非営利機関である食科学大学支援者協会と、出資者であるス ローフード協会、ピエモンテ州、エミリア=ロマーニャ州が参加する運営委員会。また、民間の協力者(企業や生産者)も様々な形で大学の運営をサポートして います。ポッレンツォのメインキャンパスは、1833年に作られたネオゴシック様式のテヌータ・レアーレ館です。